神格化の解毒剤としてよい作品
2021年5月18日 14時18分
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総合評価:
5.0
ジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスの半生を描く伝記映画です。
あまりどっぷりポストパンクにハマった事のない人間にとって、
イアン・カーティス自身もそうですし、ジョイ・ディヴィジョンというバンド自体パンクロック全盛期にあってどこか暗い影を持ったバンドという印象のあるバンドです。
原作はデボラ・カーティス、つまりイアンカーティスの奥様の著作が基となっていますので真実に基づいた話なのではないかと思います。
確かにイアン・カーティスは問題を抱えているのですが、この映画で描かれる通り「悩める一人の青年」です。
主人公イアン・カーティスの在籍したジョイディヴィジョンの属するジャンルでいうパンクロックというというと「社会を変えてやるぜ!」みたいなエネルギーを持っている事が多いですが、ジョイディヴィジョンはどこか倦怠感のある音楽をやっているんですよね。
イアン・カーティスは癲癇の持病があったため福祉の定職を持ちつつ活動していたんですね。
どこか他のパンクバンドとは違う感じはここから来ているのかなと思ったりしました。
既に亡くなっているミュージシャンにありがちな神格化の解毒作用としてファンにも是非見て貰いたい一本。