ビターな青春音楽映画。
2021年5月27日 20時14分
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総合評価:
4.0
良作。脚本は『百円の恋』の足立紳、さすがですね。
押見修造は好きなのですが、本作に限っては原作は未読。でも随所に押見作品らしい描写が見え隠れしているのが楽しかったです。
しかし思春期の痛々しさを描かせたら現時点で押見修造の右に出る者はいないと思います。
そう言い切ってしまえる程に、描写も展開もツボを心得ているのです。
さて、映画本編のハナシに戻ります。
本作は優れた青春映画ですが、同時に音楽映画としても良く出来ています。
吃音だけど実は歌の上手い志乃が、ギターは弾けるが絶望的なまでに音痴な加代と共に『しのかよ』なるデュオを結成する件は、ずっと見ていたくなるような爽快感に満ちています。しかし、押見作品であるが故に、物語はそんな爽やかさとは真逆の、とてもビターな展開を見せます。
それもまたこの作品の魅力ではあるのですが、どうにも切ない……。
主演の南沙良は。涙と鼻水にまみれた熱演で吃音の少女という難役を見事に演じ切っており、今後の活躍がとても楽しみです。
イメージワード
- ・楽しい
- ・悲しい
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