完成度の高さがすごい
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月15日 16時02分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
けっこうな長尺ですし、あらすじを見る限り少し重苦しそうで難しそう…それがこの作品を観ようか迷っていた理由なのですが、始まりから最後まで驚くほどのめり込んで観ることができました。
この物語自体はフィクションですが、あの有名な事件がモチーフというか想像できる内容で、特にキツネ目の男なんてそのまんまんですね。あの事件も未解決のまま終わりましたが、これくらいのドラマが実際にも展開されていたのかなと想像してしまいました。
この作品は見事に練られた素晴らしい脚本とキャストの熱演が素晴らしいです。小栗旬も星野源も少し関西弁が気になりましたが、やはり演技はさすがです。その他も個性派でベテラン俳優さんがいい味を出していました。シリアスなドラマの中に少し心が緩むコミカルな要素があって、硬い気持ちのまま見続けることにならないので良かったです。個人的には料亭の板前が良かったですね。
ストーリーは、登場人物も多く時系列も国もいろいろで確かに複雑でわかりにくいかもしれません。でも丁寧なストーリー展開が続くので、案外ごちゃごちゃにならずに、?のまま進んでいかないので観やすいです。
そして思ってもいなかったほど感動的なラストが意外。
今でもあの、「きょうとへ…むかって…」の声を思い出すとゾクッとしますし、なんて罪深いことを子供たちに…と切なくなります。
そして何と言っても、謎が謎のまま終わらなくて良かったというのが一番です。グリコ・森永事件は謎のまま終わっているのにこの映画まで謎で終わったら消化不良ったらない!と思っていたので、後味良く終わって、それが一番スッキリしました。
久しぶりに見た深く楽しめる傑作なサスペンスでした。見ごたえは間違いなくあります。