リアリティがあるロボットアニメ
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月19日 11時30分
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総合評価:
5.0
ハリウッドでは一時期、アメリカンヒーローが活躍する映画にも関わらず「リアル志向」という作風が猛威をふるった事があります。
(ダークナイトやサムライミ版スパイダーマンがこれに当たるようです)
もしも同様に「リアル志向」と呼んでもいいようなロボットアニメがあるとしたら?と考えて真っ先に思い浮かぶのはこの押井版パトレイバーである本作です。
氏の代表作でもある本作ではロボットアニメにも関わらず至る所がリアルに作りこまれています。
ロボットの作りがどうの、という事ではなく話の筋そのものがリアルなのです。
テロが起こった後の組織間の混乱。
大きな出来事だったにも関わらず薄い関心しかない人間達。
何が起こっているか分からないが、普通に進む日常。
自衛隊が都内の至るところに居るにも関わらず何食わぬ顔で出勤している人々の風景などは「ありえるかも」と思わざるを得ないです。
ハリウッドのリアル志向ムーブメントより遡ること十年以上前にロボットアニメでリアルな脚色をしていた作品があるとは驚きです。