三浦友和さんの怪演がみどころ
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月6日 18時27分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
実際にあった事件から着想を得て作られた作品です。
その事件は比較的最近のものですので、人によっては観るのが不愉快になるかもしれません。
この映画自体「鬱映画」と評価されているくらいですので。
連続殺傷事件を起こしたある一家の次男。
そしてその家族の姿が描かれています。
物語は事件の前から始まります。
高圧的で家族を抑えつける父親。
父親役は三浦友和さんが演じています。
この父親がとにかく人として不愉快な人物なんですよね。
それを演じきった三浦さんはすごいと思います。
また、事件を起こしたのちの次男と獄中結婚した女性も個人的にいいキャラクターだと感じました。
言ってみれば偽善的な人物で、見た目と言うセリフの善良さが物語にうまく不協和音をならしていていいです。
映画のキャッチコピーは「俺が一体何をした」です。
父親の言葉なのですが、父親は「父親としてなにもしていない」んですよね。
父親としての役割を果たさなかったからこそ、この後味の悪いエンディングにつながったのだろうと思います。
とにかく憂鬱になる映画なので、観る人を選ぶ作品です。