恐らく低予算。でもがんばってます
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月22日 10時35分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
アメリカの同時多発テロ。ワールドトレードセンタービルのエレベーターの中での物語です。
ほぼエレベーター内部のみで進むので、人によっては退屈に感じるかもしれませんが、なかなかの良作でした。
離婚調停中の夫婦や、バイク便の青年、ビルの保守管理人など数名の人物が閉じこめられます。
命の極限のなか、それぞれが持つ想いが描かれています。
あの大きな事件をエレベーター内部だけで描くのはなかなかうまいなぁと感じました。
低予算だったのかもしれませんが、登場人物の心理に迫っており、事故の悲劇というよりも「個人の歴史」の話になっています。
あの事件の時、多くの方が亡くなられました。
彼らにはそれぞれ物語があり、さまざまな想いを抱いて亡くなられたことかと思います。
生還した人もまたおなじく。
その辺りを切り取った作品です。
個人的に好きなのはウーピー・ゴールドバーグが演じる、ビル保守管理部署のメッツィ。
落ち着いた声でみんなを支える姿がよかったです。
ウーピー氏は1989年公開の「天使が降りたホーム・タウン」から好きな女優さんですが、いい感じに年を重ねておられますね。
派手なアクションはありませんが、人の心を描いた、いい作品でした。