ただのサクセスストーリーではない!
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月16日 10時50分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
将棋のプロ棋士である瀬川六段の自伝を映画化した本作。年齢制限で一度はプロ棋士への夢破れた彼が、再びプロを目指して前例の無いプロ編入試験に挑む姿は、一見普通のサクセスストーリーに見えますが、本作の見どころは彼を取り巻く人々の熱いヒューマンドラマにあると思います。
少年時代の彼に影響を与えた担任の先生やライバルである幼なじみ、道場の席主の存在。そして彼が人間として成長する支えになった、奨励会の仲間たちや会社の同僚、両親などの人々の存在があったからこそ、プロ入りという夢が結実したのだと映画を観て改めて感じました。
当時の時代感も、自宅やアパートの部屋のセットで上手く表現されていたのも好印象です。
将棋に詳しくない人にも観ていただきたい、胸が熱くなるヒューマンドラマです。
もちろん将棋好きな人にもオススメで、本職のプロ棋士がエキストラとして至る所に出演しており、それを探すのもまた楽しみの一つです。(本人役で出演している棋士も!)
あえて残念な点を挙げるとすると、将棋映画に有りがちな事ですが、若い女優さんを無理矢理キャスティングしてくる所です。男性ばかりの世界で画面が寂しくなるとか、プロモーション等への懸念なのでしょうが、無理矢理若手女優を絡ませてくる脚本はいただけないです。