72分一発撮りの破壊力。
2021年8月2日 22時50分
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総合評価:
3.0
本作の事件発生から収束までの72分間は、一発撮り(ワンカット)で撮影されているそうな。一時間ちょっとの間に69人もの人命を奪った犯人の凶行を、現場に居合わせたキャンプ参加者の学生の目線で描いた本作。
良かった点としてはその圧倒的な臨場感。まるでこちらも無差別テロの現場に紛れ込んでしまったかのような迫力は、ワンカット撮影の手持ちカメラのブレ方も全部プラスに転んだ結果かと。
反面、イマイチだったのはリアリティ溢れる映像のおかげで、映画的な面白味は薄れてしまっている点。
まあ、今から10年前で、制作当時は7年しか経っていなかったワケで、事件の傷はまだ全然癒えておらず、被害者遺族の感情を考えれば本作のような手法以外はなかったのかもしれない。
しかし、どこかから聞こえる銃声のみで犯人の姿すらほとんど画面に映らないのは正直不満でした。でも、衝撃的なラストを含め、心を突き刺すような重く苦しい、忘れ難い映画でした。