きれいなだけが現実ではないと痛感させられる
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月31日 23時26分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
男性として生まれ、女性として生きる方と、そのパートナーの男性、そしてパートナーの男性の姪っ子の3人を中心として物語は展開されます。
小学生の女の子が初めてLGBTの方と対面された時の混乱と動揺がとてもリアルに描かれています。そして、そんな女の子の気持ちをくみ取って、少しずつ距離を詰めるリンコに人として大切なことを教えてもらえる作品です。性別なんて、人類を分けるためのカテゴリーでしかないのに、この作品を見て、改めてそのカテゴリーに固執し、いかに自分たちの生活が固定観念の中で営まれているかを痛感します。特に女の子の友人の母親が言う「あの人は普通じゃない」という言葉。何が普通なのか…ぶつけようのない気持ちがむくむくとわいてきましたが、これが現実なんだな、という気持ちにもなりました。
勝手に、このまま三人で幸せになってほしい…と願いながら見てしまいましたが、幸せもまた、それぞれの価値観であって、何が当人にとって幸せなのか、というのも他人の押し付けで決めることではないのだな、と最後に感じました。