「「リング2」とは別の世界軸のお話です。」らせんぱぴこさんの映画レビュー

らせん Spiral

「リング2」とは別の世界軸のお話です。

このレビューにはネタバレが含まれています

ぱぴこ

2021年2月10日 10時11分役立ち度：0人

総合評価： 3.0

Jホラーの名作「リング」の続編。
この続編には「リング２」があり、全く違う内容となっています。
そのため、観ている側としては混乱してしまいそうですが、本作は「2」とは別のタイムライン、いわばパラレルワールドを描いています。
「2」がホラー的要素を全面に押し出しているのに対し、こちらは医学的な見地から物語が描かれているのが特徴。
物語は前作の直後、高山の死がキーとなっています。
不審死のため、司法解剖することになった高山の遺体。
その執刀を担当することになったのは、高山と学生時代からの友人の安藤でした。
彼は過去に溺れた子どもを助けられなかったという過去を持ち、そのため度々メスで手首を切ろうとしている、自殺念慮のある人物です。
物語の最初の見どころは、執刀中に高山が目を開けて起き上がるのを、安藤が幻視するところ。
大変不気味な演出でいいです。
舞を演じる中谷美紀さんの演技も見どころ。
大人しく、どこか怯えたような人物と、貞子として生まれ変わり、どこか妖艶な女性となった人物を演じ分けておられます。
ただ、ひとつ気になったのは安藤の子の再生。
確かにいい話なのかもしれませんが、死亡届を出されたその子はこれからどうやって生きていくのか……。
戸籍がないので、学校にも病院などにもいけないだろうし、これからどうするんだろうなぁ、とそればかりが気になる終わり方でした。
その辺りが少し残念です。