将棋ドラマであって、将棋だけではない
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月17日 23時31分
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総合評価:
4.0
「ハチミツとクローバー」で知られる羽海野チカさん原作の漫画を映画化したもので、「るろうに剣心」シリーズの大友啓史さんが監督が務めた2017年公開の映画です。
桐山零(神木隆之介さん)は家族を交通事故で一気に亡くし、父親の友人であるプロ棋士の幸田柾近(豊川悦司さん)に引き取られ、幸田の子供との確執がある中、高校生プロ棋士となり、人間として、棋士として成長していく様を描いた映画です。
両親を失った零を引き取ったプロ棋士の幸田柾近役で豊川悦司さんが出演されていますが、零が子供の頃からプロ棋士の現在まで父親を演じているので、絶妙に歳を重ねたように特殊メイクされていて、穏やかな声も素敵でした。幸田の娘の幸田香子役に有村架純さんが出演されてますが、父と娘のやりとりが絶妙でした。将棋でしか自分を評価してもらえなかった子供時代のしわ寄せが大人になった香子と父の関係にヒビを入れているんだとは思いますが、本当に将棋が好きで将棋の世界に生きる幸田は子供諭して応援する時も将棋を使い、「まだ幸せになる手は残っている。応援しているよ。」と伝えます。「将棋は何も奪わないし、壊さない。」という幸田の言葉がこの物語の核だと思いました。