絶望、そして光
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年10月7日 10時59分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
主人公・ビリーはタイで活動するボクサーでした。
活躍する反面、覚せい剤にも手をだすように。
そのことからタイの刑務所に収監されます。
ここからがビリーの絶望の始まり。
何せ言葉が通じないんですよね。
この作品では、ストーリー上必要な場面を除いてはタイ語に字幕がありません。
そのため、ビリーの孤独感、絶望感が観ている側にも伝わってきます。
刑務所内は暴力の温床。
そんな中で、ビリーはだんだんと孤立感に苛まれていくようになります。
物語の途中、ビリーがかつてボクサーだった頃に彼を世話していた少年が面会にくるシーンが印象的です。
少年はボクサーになっていて「試合に勝った」と嬉しそうに語ります。
しかし、その話を聞くビリーの目は虚ろ。
その目の輝きの差が切なかったです。
そんなビリーですが、ムエタイとの出会いで変わっていきます。
どんな絶望からも立ち上がる勇気。
それを見せてくれる映画です。
この作品は実話であり、ビリーの手記が元になっています。
また、リアリティを出すためにエキストラの囚人は実際の元囚人だそうです。