静かで穏やかなラブストーリー
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月11日 13時04分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
ある日、隣人のエディから「夜、一緒に眠らないか」という提案を出されたルイス。
そこには性的な意味はなく、静かで寂しい夜を共に眠ることで過ごしたいというものでした。
物語冒頭で、ルイスがテレビで天気予報を見ているシーンが2回あります。
天気予報というのは、仮に共に誰かと見ていたとしても、さほど会話を共有するものではありません。
もちろん他の番組も見ていたとも思われますが、作中では天気予報のシーンだけであるのがルイスの孤独感を表していていいです。
ここは密かに伏線だったりもします。
互いにパートナーを失っているふたり。
しかし、暗い夜を共に過ごすことで少しずつ変化していきます。
特にいいのが、エディの孫・ジェイミーを一時的に預かることになるところ。
携帯ゲームばかしていたジェイミーに対して、ルイスが様々な遊びを教えるところが穏やかで優しいシーンです。
物語は特に大きく派手な盛り上がり展開はなく、淡々と日常が描かれていきます。
その静けさこそ、ルイスとエディの心象風景のようにも感じました。
ラストシーンにはぐっとくるものがあります。
老境を迎えた男女の静かな愛が美しい作品です。