美しく、残酷
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年9月1日 21時51分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
とある施設。そこはなにやら薄暗く、どこか奇妙な印象です。
物語が始まってすぐに違和感を覚えることかと思います。
孤児院かなにかの寄宿舎のようですが、どこかおかしい。
暮らしているのは美しい少女たち。
彼女たちは「女性の美徳」を教え込まれ、ある種の洗脳的な教育を受けて育っています。
外の空気は汚染されていると信じている彼女たちは、なにも知りません。
「映画」を「動く絵」と呼ぶほどに。
彼女たちは毎日薬を飲まされています。
ビタミン剤だといわれているそれは、実は違うもので。
物語の途中で、ヒロインのひとりが友人である少女に薬を飲まないように伝えてから、話は大きく進んでいきます。
全体的に淡々とした雰囲気と、どこか漂う不穏さがいい感じです。
日差しが入らないという設定なので、彩度が低く、それがまた「教師」の華やかさと相まって施設の不気味さの演出に効果を出しています。
タイトルの「レベル16」というのは映画が始まってすぐにどういうことなのか分かります。
しかし、真の意味はかなり終盤まで分かりません。
彼女たちはなぜ、あのような場所にいるのか。
それを知ったとき、だれもがぞっとすることでしょう。
物語の途中、とある夫妻が少女を「買う」ようなシーンがあります。
そこをよく観ておいてください。
のちにその意味がよく分かりますよ