世にも奇妙な里帰り
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月19日 11時09分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
一回見ただけでは、何が起こっているのか100%理解できない映画。主人公は恋人の両親の実家へ挨拶をしに行くというのが大まかなあらすじですが、最初の20分は主人公と恋人が車の中でひたすらとりとめのない会話をしているだけ。しかも、会話が微妙にかみ合っていなかったり、話題があちこちに飛んでしまう。この最初の20分間だけで、何か普通じゃないということに気づく。
恋人の両親の家についてからも奇妙なことの連続だ。不気味な両親との会話もいまいちかみ合わない。しかも、時系列がバラバラだ。さっきまで若かった両親がいきなり白髪になったり寝たきりになっていたりする。
何が起こっているのかもわからず物語を追っている間はとにかく不穏で、怖い。恋人の母親役のトニ・コレットがまた怖い。
見終わった後解説や原作を読んでやっと理解できた。人生の終盤に差し掛かったみじめで孤独な高校用務員の男が「あの時ああしていれば未来は違っていたかもしれない」という取り返しのつかない過去を思う、後悔の話だ。
現実逃避をして想像の世界に逃げ込む癖がある私にとっては特に心が痛く身につまされた。
人の内面だけにこんなに迫った映画はなかなか見たことがないのもあって、お気に入り。
イメージワード
- ・悲しい
- ・不気味
- ・恐怖
- ・不思議
- ・絶望的
- ・切ない