個性様々なヒーロー集団アベンジャーズの中でも、ソーは特に異色の存在だろう。神の国アスガルドから地球にやってきた、神の国の王子様。平たく言ってしまえば宇宙人。武器は持ち手の短いハンマーで、戦闘シーンの見せ方もワンパターンになってしまう。
この作品以前のMCU監督たちは、ソーを若干持て余していたように思う。それはハルク/ブルース・バナー博士についても同じかもしれない。(ナターシャとのロマンス?を入れてみたり…)
だが、この映画ではワイティティ監督がそんなソーを一から「強いけどどこか抜けていて、それでも頼れる愛すべきキャラクター」に生まれ変わらせてくれたように思う。トレードマークの長い金髪をバッサリ刈られたときはショックだったが、新しいソーとしてすぐに受け入れられた。また、ブルース・バナー博士はハルク状態のまま喋れるようになっていて、ソーとハルクの漫才のような掛け合いがおもしろい。
一国の王子らしく深刻な顔をしているソーより、ニコニコ笑っているソーのほうが好きだ。ワイティティ監督ありがとう。
テッサ・トンプソン演じるヴァルキリーや、ジェフ・ゴールドブラム演じるグランドマスター、監督自ら演じる岩男コーグなど、ソーやハルクの他にも愛おしいキャラクターたちがたくさんだ。もちろん、相変わらずめんどくさい弟のロキも。