人生に影響を及ぼす出会い
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月18日 22時43分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
見終わった後は、てっきり悲しい恋の話だと思った。よく知りもしない男のところに嫁ぐため、描かれた肖像画。肖像画の描かれた目的からして、二人が引き裂かれるのは必然だ。
だが、見終わって数日考えたり監督のインタビューを読んだりしているうちに、二人の出会いと別れはけして悲劇ではなかったと思えるようになった。たとえ離れ離れになっても、お互いの心にお互いが存在し続けるような、人生に影響を及ぼすような出会いだった。別れてしまっても変わらず誰かを思い続ける切なさと愛おしさが、見終わった後にじわじわと心にしみこんでくるような映画だ。
ブルターニュの孤島の美しい風景といった視覚的な美しさはもちろんのこと、暖炉で燃える火がぱちぱち言う音や、板張りの床を歩く靴音、キャンパスを滑る筆の音と、音も印象に残る映画だった。
監督と、エロイーズ役のアデル・エネルが恋人同士だったと聞いてまた納得。カメラ越しに恋人であるアデル・エネルを見つめる立場だった監督。二人の恋と別れが、そのままマリアンヌとエロイーズに投影されている。
イメージワード
- ・悲しい
- ・泣ける
- ・知的
- ・切ない
- ・セクシー
- ・ロマンチック
- ・ゴージャス