自分の中に残るものがある映画
2021年8月5日 08時34分
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総合評価:
4.0
何不自由なく暮らしている幸せな一家に突如として起きた大事件を描いています。
息子の行方がわからなくなり、殺人事件の加害者か被害者かわからない家族の心情を描いているので終始重苦しい時間が流れます。家に心無い落書きをされたり、連日マスコミに追われるなど災難に見舞われます。
息子がどちらに転んでも最悪という精神状態の中疲弊していく夫婦を演じている堤真一と石田ゆり子の憔悴っぷりがリアルで思わず同情してしまいます。妹役の清原果耶も複雑な心理を抱えているというのが伝わってきます。
子供を持つ親としては明日は我が身とも言えるため他人事で終わらない可能性があるため恐怖感、焦燥感には現実的で生々しいものがあります。その代わりとして観た後には胸に残るものがあり、考えさせられることでしょう。
ストーリー全体を通しても救いようのないことだらけでやっぱりきついですが、唯一残された希望がありそこに焦点を当てればあると言えますが、それもまた切ないので、本当にやるせない映画だなぁという印象です。