トランスジェンダーの悲しみを深く描いた名作
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月21日 09時08分
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総合評価:
4.0
トランスジェンダーの凪沙(草彅剛)はショーパブのダンサーとして日々お金を稼ぐためだけに捨て鉢に生きていました。そこから親戚の少女・一果(服部樹咲)を引き取ることになり、最初は嫌々だったものの彼女と自分の共通点を見つけ、どんどん慈愛に満ちた母親のような表情になるところが印象的です。
バレリーナとして一流を目指そうとする一果は、凪沙にとって「夢」だったのだと思います。自分が叶えられない夢を叶えてくれる理想の存在とでもいえるのでしょうか。
草彅君が一回いつもの短髪の姿で出てくる場面もありますが、普段バラエティなどで見る彼とはまったく違い、まさに凪沙が無理やり男装したことが伝わってきたのは驚きました。
後半の展開は壮絶で結構ショッキングですが、トランスジェンダーに悩む人たちに深く迫った名作です。
原作も内田監督が手掛けており、多少映画と本は内容が違いますし、より深く映画を理解するために、鑑賞後に本作が気になった方は原作を読むのもおすすめです。