ネズミと猫と笛を吹く女の駆け引き
2021年9月2日 04時30分
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総合評価:
4.0
自分を好きになってくれる相手としか心を開かない完全受け身な大伴恭一に大倉忠義、一途なほど恭一にアプローチを繰り返す肉食系の今ヶ瀬渉役には成田凌。今をときめくふたりのイケメン俳優が、異色のBLものに大胆にチャレンジしていて驚かされるでしょう。
ふたりの間に割り込んで波風を立てる夏生役のさとうほなみが、これまでの爽やかなイメージを脱ぎ捨てて見事に汚れ役に徹していました。恭一のことを「ハーメルンの笛吹き男についていくネズミ」と一刀両断するシーンは、現実の世界ではミュージシャンとして活躍する彼女ならではですね。
性的マイノリティーに対して偏見がないと自負していたはずの恭一が、いざ我が身に降りかかった途端に困惑してしまうのがほろ苦いです。恋愛のときめきや素晴らしさだけではなく、誰しもが肉体的な性別にとらわれてしまう難しさについても考えさせられます。前途多難な恭一と渉の行く末が、ピュアな関係へと変わるのか見届けてあげてください。