博多郊外の香椎潟海岸の岩の上で男女の2遺体が発見される。地元警察の見解は、合意の上の心中と断定される。遺体の身元は、××省××局課長補佐・佐山と赤坂の料理割烹の女中・お時と断定される。そして、お時の同僚であった八重子が事情聴取され、佐山とお時の出発の際の姿を、東京駅で見かけたことを供述する。だが、この情死事件に得心のゆかない鳥飼刑事。 事件後1ヶ月、警視庁二課・三原刑事が鳥飼刑事のもとを訪れる。この情死事件が汚職事件への関与をにらんでのことだった。事件現場や目撃者証言からさらなる疑惑を深める三原。東京駅に帰着した三原は東京駅で二人を見かけた八重子の証言を思い出す。気の遠くなるようなダイアグラムの調査で出た結果とは、13番ホームから15番ホームを見渡せるのは、1日で4分間しかなかったのだ。この事実から新たな容疑者として、安田辰郎という機械商人の姿が浮かび上がる。だが、安田には事件当日、北海道に出張しているという完全なアリバイがあったのだった。果たして、その真相の裏に隠されたものとは・・・。