癖は強いけど、同じくらいに大きな魅力を持った映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月22日 14時03分
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総合評価:
5.0
「ヨハネスブルクに飛来した宇宙人が難民化している」という凝った設定や世界観がまず目につく作品ですが、実際に見てみると「差別」や「難民問題」への風刺や皮肉がきいている映画でした。
宇宙人の設定は非常に独特かつ力の入ったもので、甲殻類を思わせる見た目、謎の物質や機械が散乱する多くのバラック小屋、高い科学技術力から作られた驚異的な兵器と、地球人とは全く違う文明やルーツを持つ存在であることが強調されています。
そして、作中の地球人による宇宙人への差別は激しく、直接的な暴力や暴言も多いため、流石に少し精神的にツライ部分もあります。
今作では主人公のヴィカスが突如として差別する側からされる側になってしまうため、その立場が切り替わった時の周囲の対応や、ヴィカスの戸惑いや絶望も見事に表現されています。
一方で、クライマックスで始まる戦闘シーンは凄い迫力で、それまでの重い雰囲気を吹き飛ばすかのようにヴィカスがロボットに乗って暴れ回るシーンはこの映画でも屈指の見どころです。
宇宙人の見た目や地球人による差別といった癖のある要素が多い映画ですが、鋭い風刺・皮肉やクライマックスのアクションシーン等は魅力にあふれています。
イメージワード
- ・泣ける
- ・不思議
- ・切ない
- ・かっこいい
- ・スペクタクル