これまでとは違うアメリカ南部を描いた映画
2021年2月15日 14時09分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
「ファーゴ」('96)という何かと抜けている犯罪を描いた映画の中で、女性警察署長を演じたフランシス・マクドーマンドさんが主演で、「リチャード・ジュエル」で善良な弁護士を演じたサム・ロックウェルさんが助演の映画です。
貧しい米国南部を舞台にした内容で、保守的で何かと個人が意見を言い出しにくい町が描かれています。
犯罪被害者遺族である主人公はその中で3枚の大きな看板を使い、警察に不満を表明しますが、土地柄もあり周囲からは冷たい目で見られます。さらに警察署長も誠実な人物であることも解ってきます。
色々な登場人物が最初の印象とは違う行動をするのが、この映画の特色でしょう。
それぞれ何かをきっかけに考えを変える、などとは違い、人間の多面性を描いた映画です。
米国南部は、様々な殺人鬼が出てくる恐ろしい場所としてハリウッド映画では描かれてきましたが、このような内容の映画になったのは、イギリス出身のアイルランド人で演劇でも実績のあるマーティン・マクドナー監督だからでしょう。ハリウッドの中の多様性の無さを衝いた映画です。