こちらの邦題を考えた人、天才ですね
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年7月21日 19時45分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
「愛を読むひと」このタイトルを考えた人は、まさに天才です。
このタイトルをみたたけで、映画の感動が蘇ってきます。
少年と21歳も年上女性との恋愛ものなんですが、あまりに官能的でイケナイ感じがして、観るのをやめようと思いました。しかし、ケイト・ウィンスレットが賞を受賞しているほどだし、感動作のはずなので、よさがあるはずだと信じて観続けました。
観てよかったです。途中でやめなくて本当によかったです。
映画の中盤からラストにかけて切ない展開の連続です。話に引き込まれてもう目が離せなくなりました。
ここからネタバレです。
特に心に響いた場面は、ケイト扮するハンナが刑務所に入ったところで、今は大人で元少年のマイケルが、かつて彼女と過ごしたように本の朗読をし、それを録音したテープを彼女に送るところです。
字の読み書きができず、それをこれまでの人生でひたすら隠し続け、知られるくらいなら罪をかぶる、刑務所のほうがまし、と決断した女性です。
そんな彼女が、録音された彼の声を聞き、図書室で彼が朗読している本を借りてきて、読んでいる箇所をなぞっていきます。「読めるわ」というところはもう鳥肌ものです。そして、彼女は彼に手紙をかくのです。
よく彼もテープを送る気になったなあと思いました。彼女に裏切られたと思っていて、心に傷をおって生きてきました。しかし、彼はずっと彼女を想い続けてきました。心の痛みよりも愛が勝ったんですね。
まさに「愛を読むひと」です。
こちらの作品は、愛により人はつき動かされるのだということを、見事に描いた傑作です。
映画のラストはまたも切ないすれ違いが起こりますが、だからこそ現実味があるような、名作とはこういったものなのだろうか、というような感慨深さが余韻として残る作品です。
イメージワード
- ・悲しい
- ・泣ける
- ・知的
- ・切ない
- ・ロマンチック