ザ・昭和!
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月28日 15時26分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
昭和の30年代に繰り広げられる人間模様を、ノスタルジックさと共に十分に味わえました。
中心となる鈴木オートでは、昭和のおやじ感満載の主人を堤真一さんが、その妻を薬師丸ひろ子さんが安定感のある演技で魅了してくれました。
更に、そこに田舎から出てきて働く六ちゃんを堀北真希さんも好演されていて、どっぷりとその下町の世界観を満喫できました。
そんな中、何不自由なく暮らしてきた親戚の女の子が、父親の事業の失敗でしばらく鈴木オートで厄介になる中でのシーンが印象的でした。その生活の格差を体験して最初は反発するものの、自分と同い年の近所の子らの家のお手伝いをする様子などから、自分の行動や考えを変化させていくのがとても良かったです。
今の厳しい社会情勢に「格差」が問題視されていますが、この作品にも様々な人たちが出てくるのを見ていると、昔からあった事なんだなぁとなんだかしみじみとした気持ちにさせられました。
また、もたいまさこさんがタバコ屋の女性を演じられているのが、下町風情をさらに盛り上げてくれ気に入っています。
あと茶川とヒロミの恋の行方も気になりましたが、そのそばで淳之介の茶川を思う健気な様子が特に胸を打たれました。