数学嫌いな方にこそ見てほしい作品です
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月19日 02時17分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
80分しか記憶が保たない男性の元にお手伝いさんとして通う、杏子と後に共に過ごすことになる息子のルート(博士が付けた愛称)の物語です。
記憶が保たないため、常に身体に付箋を貼っている姿は滑稽ながらもどこか悲しく、その哀愁を寺尾聰さんが見事に演じておられます。
初めて出会った杏子との共通の会話で数学が出てくるのが面白いです。
友愛数の話などは温かくてほっこりします。
数学博士というと理論的で情には疎そう、なんてイメージが勝手にあるのですが、博士はとて優しい方。
杏子の息子がひとりで家にいると聞き、共に通うように言うのです。
ルートは博士との出会いにより、数学を好きになり後に数学教師となって、語られるのがこの物語。
私は中学まで数学は嫌いだったのですが、なぜか高校で突然好きになり、授業がある日は朝から楽しみだったほどでした。
恐らく、先生の指導法にはまったのだと思います。
本作は数式のもつロマンを物語にうまく当てはめた愛おしい物語になっています。
数学が余り好きではないという人にこそ見てほしい作品です。