アートミステリーを体感
2021年9月13日 18時18分
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総合評価:
3.0
世界屈指のアートの聖地・ルーブル美術館で発生した殺人事件の真相に、みるみるうちに引き込まれてしまいます。歴史的な名画から古今東西のアーティストに関するこぼれ話やうんちくが満載で、美術館巡りをしている気分も味わえますよ。館長・ソニエールの遺体の側に残されていた記号は何とも意味深ですが、映画だと自分で解き明かす楽しみと時間がないのが惜しいです。
容疑をかけられた大学教授が自らの潔白と事件解決を目指して奮闘する姿は、出口の見えない迷宮で冒険を繰り広げているかのよう。主人公ロバート・ラングトンにはトム・ハンクス、暗号解読のプロフェッショナルにしてソニエールの孫娘でもあるソフィ役にはオドレイ・トトゥ。幾多の危機を力を合わせて乗り越えていくふたりの間に芽生えるのはハードな共闘関係で、生易しいロマンスではありません。
イエスキリストや聖杯にまつわる宗教的な歴史にも果敢に斬り込んでいく後半の展開は、まさに神をも恐れぬ野心作ですね。