キャスト陣の演技力に圧倒される
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月15日 22時38分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
キャスティングが素晴らしかった。
主役の北川景子さんが食われるくらい、あとはもうみんな素晴らしい演技です。芳根京子さんは今までのイメージを覆されるくらいの、圧倒的な目力で熱演されています。こんなすごい演技力を持っていたなんて全然知らなかった!面会室でのガラス越しの演技の応酬は圧巻です。
あと久しぶりに見た窪塚洋介さんですが、出てるだけでなんか普通な役じゃない気がして勘ぐってしまいましたが、結局普通の良い人でした。これはちょっと先入観を持ってしまいましたね。いつも個性的な役をやっているイメージなので。こんなに落ち着いた役も素敵でしたし、相変わらずかっこいいなとしみじみ。
そして私の大好きな中村倫也さん。最近ちょっとクールでインテリっぽいしゃべり方が鼻につく役が多い気がしますが、本作ではそれもありつつかっこよかったです。本当に演技が上手。北川景子さんとの会話のシーンでは、その演技力の差がけっこうすごかったですね。
芳根京子さんの母親役の木村佳乃さんや、ほんの少ししか登場しない高岡早紀さんも強烈なインパクトを残しています。
肝心のストーリーですが、最後まで「父親殺しの容疑者」である芳根京子さんの言うことが本当なのか嘘なのか、観てるほうも翻弄されます。
ただのサイコパスだととらえられがちな異質な殺人犯を、結果的にですが心に同じような傷、しこりを抱えた公認心理士が探っていく。そこから現代と過去を織り交ぜて話が膨らんでいきますが、登場人物も大して多くなく、さらに簡潔に説明されるので、混乱することなく観進めることができると思います。
そこに序盤から気になる義姉弟の関係が明らかになるストーリーも挟み込まれています。
どちらも中途半端に終わらず、後味がいいとは言えないのかもしれませんがバッドエンドにならずに終わってくれてほっとしました。
スッキリとした見ごたえのある作品です。