綾野の笑みは不幸な人生を精算したのだろうか?
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月10日 16時29分
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総合評価:
4.0
この映画を最後まで見ると、この世の善悪という問題より、生い立ちによる人生の宿命の方が強いような気がしました。だからヤクザが、通常の価値観で悪とみなされるということより、それぞれの生き様が前を向いて昇華させていくということができれば、立派な生き方だと思います。綾野は最後にそれをやってのけました。そして彼の死が意味する重さに号泣してしまいました。彼はきっと生まれてくる前に、ヤクザとして生きて亡くなる時にはそれをつぐなって死ぬと決めて生まれてきたに違いありません。
私たちの生きてる世界は、これが善で、これが悪という判断をしますが、それは所詮人間のなす判断です。もっと根源的な世界から見たら、悪も善も無いと思います。あるのは一生懸命に生きて死んでいくことです。その一生の間にたくさんの体験をして死んでいくのが私たちに与えられたカルマです。綾野はそういう意味で一生を見事に走破したのでしょう。
現代は悪が簡単に見破られてしまいます。情報はすぐに世界を飛びます。だから残念ながらヤクザは生きていけない世界です。つまりこの世界がどんどん良くなっていくと言うことかもしれません。ただ形を変えた悪は消えることはないでしょう。それが3次元世界の特徴です。
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