「社会の現実」ヤクザと家族 The Family shuyaさんの映画レビュー

ヤクザと家族 The Family A Family

社会の現実

このレビューにはネタバレが含まれています

shuya

2021年2月13日 20時59分役立ち度：0人

総合評価： 5.0

タイトルだけをとれば、ギャング映画と思われる方も多いだろうと思います。
でも、これはヤクザを通して繰り広げられる大きな人間ドラマでした。
どの人の心にも奥深く抉られるような、人間の本質の苦しみや希望や現実。それらがこの2時間の中には詰まっていました。
ヤクザでも人間なんです。生きることに苦しんで希望を見つけては行動して生きていくんです。そこにいることだって、人を殴ることだって全てには理由があって、その目的の達成のために生きている。
みんな必死なんです。この現実の世界でも。そんことを映画を通して思わせてくれて自分自身も頑張ろうと思うことができました。

とても良い展開だなと思ったことは、それが受け継がれるということが描かれていることです。自分の生きた人生は子供達にも影響されていくんです。確かに自分は生き抜いたとしても、その子供は親の姿を見て、それに憧れて道を踏み外して生きていくことになるんです。
親は偉大なんだなと。どんな姿でも偉大なんだなと思わせてくれました。
特に最後のシーン、彼が心の拠り所を求めていて、それを許したシーンはとても印象的でした。