映像で語る映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月26日 14時21分
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総合評価:
4.0
主人公のジョーは子供時代に、父親から母親と共にDVを受けていたのですが、その時に父親から暴力と共に、「しっかりとしろ」「ちゃんと振舞え」等の、社会の価値観と合うことを言われていたので、DVの被害体験から距離を取ることが難しいようです。そのことはジョーがその後に軍隊に入ったり、FBIで働いたりした事とも関係があるのかもしれません。
さらに、母親と共に被害に遭っていたことが、大人になり、それなりに年齢が行っても母親との距離がとても近い事に繋がっているようです。その辺りの描写に関しては、女性監督ならではの視点でしょう。
摂食障害などにおける母親と娘の「母子カプセル」というものは何かと言及されますが、男性のDV被害者も、似たような事があるのかもしれません。
本作では、人身売買の被害者であるニーナが、終盤意外な行動をとります。
人身売買や、PTSDからくる薬物やアルコールへの依存、フラッシュバックなど、現代的なテーマを描いた映画になっています。医療系、福祉系の方の教材にも合いそうな映画です。