冷血とは
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月23日 17時37分
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総合評価:
5.0
実在の人物トルーマン・カポーティがクラッター家殺人事件のルポルタージュ「冷血」を書き上げるまでの話です。
カポーティは「冷血」を書き上げたあと、売れっ子だったにも関わらず長編を一つも書くことがなかったそうで。
色々と考えてみるに値する一本です。
声を含めてフィリップ・シーモア・ホフマンの演技が素晴らしいです。
つくづく映画界は惜しい人を失ったものだなーと思いました。
本作ですが、事件の周辺の人物について取材するカポーティの姿が淡々と描かれます。
ともすれば退屈になってしまいそうな映画ですが、まったくそんな事はありません。
最近の映画には珍しくショッキングなシーンを際立たせて盛り上げるようなこともなく話は進みます。
長編を書けなくなったカポーティの追体験をしているような、そんな気分にさせられる映画です。
タイトルに「冷血」とつけたカポーティですが、本文中に冷血って言葉は登場しないらしいですね。
彼は何を言いたかったのかはご覧になった皆様の想像にお任せします。