竹内さんの急逝が惜しい
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年10月7日 12時09分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
主演の竹内結子さんの急逝を機に視聴しました。
ある家族に訪れた数週間の奇跡の物語です。
脳内物質の異常分泌で、仕事も一苦労の巧。
彼を支えていた妻・澪は28歳で世を去ります。
残された巧と6歳の祐司はなんとかその日その日を乗り切っていきます。
朝食のシーンで巧が焼いたパンがとても焦げているのがいい表現だと思いました。
不器用さがそこにも描かれているんですよね。
澪は生前、祐司に手つくりの絵本を遺していました。
「雨の季節になったら帰ってくる」
その言葉通り、澪は帰ってくるのですが記憶を一切失っていました。
夫と息子のことも。
そこから始まるすこしちぐはぐな「家族生活」。
巧は澪に出会いから結婚までの話を語ります。
優しく、切ないふたりの恋の話。
そしてやってくる雨の季節の終わりの描写がとても切なかったです。
この作品では亡くなった人との交流や絆を描いていますが、本質的にはそれだけではないと思います。
生きて、いまそばにいる人。その人との出会いの奇跡こそがこの物語の主軸です。
だからこそ竹内さんが亡くなられたことが惜しいと感じました。