キル・ビル Vol.1
妊娠を機に殺し屋稼業から足を洗ったザ・ブライドは結婚式のリハーサルの最中、属していた組織のボスであるビルとその配下である4人の殺し屋から襲撃を受ける。婚約者である夫を殺され、妊娠していた彼女も凄惨なリンチにより、4年間の昏睡状態に陥るほどの重傷を負わされる。昏睡から目覚めたザ・ブライドは、ビルと4人の殺し屋への復讐に向けて動き始める。
クエンティン・タランティーノ監督が敬愛、偏愛する香港のカンフー映画や日本のチャンバラ映画、任侠映画に限りなきオマージュを捧げた映画が「キル・ビル Vo.1」だ。 この映画「キル・ビル Vo.1」は、公開当時、6年間の長い沈黙を破りタランティーノが帰って来たと話題になった作品で、乱れ飛ぶ多くの前情報から、とんでもなくハチャメチャな映画を予想していたところ、その想像の遥か上を行く、タランティーノ・ワールドが全開で炸裂し、狂喜乱舞した思い出があります。 もう、とにかく腕が飛ぶわ、脚が飛ぶわ、首が飛ぶわの凄まじいゲテモノ・バイオレンスのオンパレード。 映画の冒頭、第一の復讐シーンで見せる乾いたユーモアとクールなバイオレンス演出で、いつもと変わらぬタランティーノのセンスの良さを感じてしまいます。 包丁を背後に隠し持ったまま、娘に「学校はどうだった?」と尋ねるシーンなど、いかにもタランティーノらしく嬉しくなってきます。 その後の展開も、例によって、倒錯した時系列の処理が巧妙であったり、さすがと思わせてくれる演出で溢れていて、我々タランティーノ・ファンを楽しませてくれます。 しかし、何といっても目が画面にくぎ付けになるのは、タランティーノが敬愛、偏愛する香港のカンフー映画や日本のチャンバラ映画、任侠映画、それもB級映画に限りなきオマージュを捧げたという、破天荒なタランティーノ的世界感です。 「自分にはアジアの文化がよくわかるんだ」と公言して憚らないタランティーノですが、よく言うよと内心思いながら、この言葉、半分位は正しいのかなと思ってしまいます。 というのは、日本の大衆文化でよく見受けられた、劇的すぎるヒーロー像やドラマ展開、荒唐無稽な殺陣などを我々日本人の目には、"カッコいい!"と感じさせる一方で、どこか滑稽に映っていたように思います。 この"滑稽"という感覚を、タランティーノはよく理解しているなと思います。 我らが千葉真一演じる沖縄で寿司屋を営む刀作りの名人、服部半蔵という日本人像や、日本刀用のホルダーがある飛行機の座席、更には、ユマ・サーマンやルーシー・リューが、大立ち回りの最中にぎこちない日本語で啖呵を切ったりするのも、"滑稽"という感覚を突き詰めて行くプロセスの延長戦上にあるものだと思います。 ただ、さすがに、日本映画に漂う独特の風情、情緒、粋な感覚に対しては、一応、枠にこそはめ込んでいたものの、少々紋切り型であったような印象を受けます。 しかし、そこはタランティーノ、このような感情に関わる部分を、何とマカロニ・ウエスタン的な感覚とノリで処理してみせたのです。 この演出テクニックには、正直、唸らされ、タランティーノが映画の天才と呼ばれる所以なのだと心の底から思います。 これだけ、ある意味、ごった煮モードの世界観を剛腕でねじ伏せ、展開してみせたタランティーノ、誠に恐るべしです。 この映画は、かなり唯我独尊的なオタク映画で、"滑稽"さの追求といい、綱渡り的な面白さの映画になっているため、この手の映画がダメな人には究極の駄作に見えてしまうというのも、わからないでもありません。 しかし、タランティーノは何もリアルな日本を描こうとした訳ではなく、彼が愛した日本映画の記憶を、オーバーに愛情をこめて甦らせただけなのです。 そして、この映画はタランティーノ以外の誰にも作れない、というより許されない映画だろうと強く感じます。 そう感じさせてくれたのが大変嬉しく、タランティーノ映画はこうでなくちゃいけません。
布袋寅泰の「キル・ビル」のテーマがかっこいい映画です。それだけではなく、ブルース・リーのトラックスーツに日本刀など、男の憧れとロマンが詰まっています。 ストーリーは復讐劇で、主人公のブライドが結婚式の際に殺し屋ビルの組織に殺されたことから、ブライドが復讐を始めます。ブライド自身も昏睡に陥り、4年もの歳月を過ごしてしまいました。非常にハンデのある状態から、彼女はビルに辿り着けるのでしょうか。 千葉真一が登場したり、「GOGOユウバリ」として栗山千明が出演するなど日本人にとっては驚くようなキャスティングがされているのも面白いです。タランティーノ監督自身が大の日本映画と特撮のファンであることから、びっくりするようなところで引用されていたりします。 見どころはブライド演じるユマ・サーマンの殺陣です。日本刀アクションには慣れていないはずの彼女ですが、さすがに女優らしくかっこよく演じています。雪の庭園でのオーレン石井(ルーシー・リュー)との対決などはとてもかっこよいです。しかもかなりエゲつない殺陣もこなしています。キャットファイトのようにならず、あくまで剣士として戦ったのは男性でも女性でも憧れてしまうでしょう。 日本そのものではありませんが、高級料亭の雰囲気や庭園などはよく作られています。この無国籍感を楽しむのも個人的にはお勧めです。あり得ないだろと言わず、海外の人からするとこんな雰囲気で伝わってるんだなと見ると面白いでしょう。
↓↓みんなが読んでいる人気記事↓↓
→【2024年】動画配信サービスおすすめランキングに注意!人気を無料や利用者数、売上で比較!徹底版
→【すぐわかる】動画配信サービスおすすめランキング【忙しいあなたへ】人気を無料や利用者数、売上で比較!簡易版
→映画のレビューを書くと、あなたの好みの映画が見つかります!
✅映画解説 ✅口コミ ✅映画の豆知識・トリビア ✅ネタバレありなし考察 ✅どの配信サービスで見られるか 映画に関するあれこれが、この1サイトでぜーんぶ出来ます。