赤胴鈴之助 月夜の怪人
9作続いた「赤胴鈴之助」シリーズの2作目です。このシリーズは続き物なので、ドラマのように継続的に鑑賞するのをおすすめします。 中でも、比較的単発色の強い事件を解決していく3作目以降に対して、1作目と2作目は、2つを合わせて事実上の1エピソードと見なせるようなつくりになっています。謎が解き明かされず、主人公が危機に陥ったところで終わる1作目に対して、こちらの作品は応答編のようになっており、伏線を回収して、すっきりとした幕切れに至ります。 まだお馴染みの必殺技は出て来ないですが、シリアスな打ち合いは重量感が伝わってきますし、優等生タイプで忍耐力のある主人公がついに怒り、ドスを利かせる場面はとても迫力がありました。戦後日本のスーパーヒーロー物として、最初期の作品の一つでもあり、徐々に超能力にも近い華やかで荒唐無稽な戦いを展開していくストーリーの作品です。俳優陣の演技力も素晴らしいので、若い世代の自分が観ても楽しめました。 1-2作目を合わせて、子どもたちのヒーローの誕生編を比較的リアルでシリアスな路線で描いており、その続編ではどんどん華やかな怪人退治になっていきます。本作は、シリーズの中でも、怪事件を解決するヒロイックな主人公の姿を最初に示しきった、大事なパートだと思います。
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