考えさせられるBLM問題映画!?
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月22日 10時48分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
アカデミー賞脚本賞受賞ということで、一度は見たいと思っていました。テンポが非常に良く、退屈せずに鑑賞できる作品です。
エンターテイメントホラーとして非常に良く出来ているのは当たり前ですが、白人至上主義問題が全面的に打ち出されていることが特徴と言えます。
主人公の黒人・クリスは恋人の実家に招かれますが、そこは白人ばかりで、唯一見かける黒人はすべてメイドや下働きという奇妙な状況に放り込まれます。この異常さの正体はすぐに明らかになるのですが、白人至上主義者たちが次に欲しがったものが「優れた黒人の肉体」であったことが明らかになるのです。
これはとても恐ろしいことで、黒人の優位性を一見認めているようで、実は「人間」としては認めていないことを痛感させられます。優れた肉体があるのなら、それを奪ってしまえばいいというシンプルでありながらも、全くその精神性や心は無視しているという図式。これは白人たちが未開拓の土地の住民を勝手に駆逐し、植民地で美味しいところ取りをしてきた絵と重なります。
果たしてその肉体を狙われたクリスが、どう反撃するのか。これも大きな見どころです。ぜひ震えて鑑賞することをおすすめします。