悲しく、そして美しい
2020年12月21日 18時26分
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総合評価:
4.0
アルメニア共和国で実際に起きた大地震を元にして描いた作品です。
親からは望まれない妊娠をした女性とその相手の男性、そして両親を軸に描かれています。
この地域は地震が少ないため、建物は石造り。
そのため壊滅的なダメージを受けます。
そんななかで、誰かを助けるために動く人、逃げ惑う人の姿が観ていてつらいものがありました。
日本人なら地震の恐ろしさは知っています。
しかし、東日本大震災での津波は想定外でした。
あの頃に抱いた胸の痛みを思い出す作品です。
パニック物ではありますが、決して娯楽的に描いていない点もいいです。
作中のちょっとした場面を見逃さずじっくりと観るのをお勧めします。
なぜなら、この作品のスタッフロールが大変優れているからです。
映画内でのちょっとしたシーンで、当時の写真を元に描いている部分が多く、スタッフロールでそれが紹介されています。
左が実際の写真、右が映画内でのシーンです。
こういった形で実際にあったことを映像化しているように、監督の地震での被災者、お亡くなりになった方への敬意が感じられる、いい作品でした。