パク・シネの表情に注目
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月16日 01時57分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
ラブコメ『ピノキオ』などで一躍有名になったパク・シネがスリラーに登場。昔の同じ場所にいる女の子と電話がつながり、悲しい過去を変えるという策を思いつきます。相手だけ幸せになって自分は悲しみや虐待から逃れられないとう妬みと怒りから、電話相手の女の子は裏切り、さまざまに歴史を変えてしまいます。ロマンスでお馴染みのパク・シネですが、今回はロマンティックな要素はひとつもなく、ただただ恐怖に怯えながら自分や家族、電話相手のために正しいことをしようと奔走します。お互いの気持ちがすれ違っても必死に人を救おうとする迫真の表情や演技に注目です。物語の中では、光と影がうまく使いこなされていました。パク・シネが家族を取り戻した時に柔らかい空気感や風景と、彼女の華やかなドレスが印象的でしたが、対照的に、電話相手の世界は暗い部屋で母親からの虐待を描く明かりのない黒や血の色の赤といった色使いがはっきりしていました。最後の場面でようやく平穏を取り戻したと感じた主人公は、安堵しますが、事態は一転。死んでしまった母親を取り戻し、一緒に歩いていましたが、最後の最後に消えてしまいます。衝撃の余韻を残して物語は終了し、続きが見たいと思える作品です。