全体的にすごくコミカルな作品です。アイスランドの小さな町の二人の兄妹がミュージシャンになる夢を叶えようと、その登竜門であるヨーロッパ音楽選手権「ユーロビジョン」への出場権を得ます。本番では思わぬハプニングに遭遇し、二人は落ち込んでしまいますが、それはまだドラマの始まりに過ぎません。ユーロビジョンで出会ったロシア人のゲイの男性をはじめ、ヨーロッパ人をある意味皮肉った演出がとても面白いです。他人はどうみようと、自分たちが楽しくてクールだったらそれでいい、といった前向きな考え方も垣間見えます。国の規模が小さなアイスランドは、首相や企業の社長など偉い人が一堂に集まりユーロビジョンの行く末を見守っていたのも、人の距離が近いこそなのだと感じました。俳優陣もアイスランドのアクセントや性格を見事に演出していて、完成度の高い作品だと思いました。