輝く美しさ
2021年8月15日 03時50分
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総合評価:
5.0
クリスマス時期の百貨店、店に訪れた女性、キャロルに一目惚れした販売店の女性、テレーズ。そこから二人は出会いを重ね、お互い恋に落ちていきます。ただ、キャロルは夫と子持ち。テレーズは彼氏がいましたが、二人の恋心はお互いを近づける一方。同性愛者としての恋への葛藤とドキドキ感がリアリティーを持って伝わってきます。なんといっても、あらゆるシーンが美しいです。クリスマスの薄暗さの中に光る蝋燭やランプの光が、美しい二人を引き立てます。暗い世界の灯火のように、恋心に灯りがともり、ゆらゆらと揺らぎながらそれぞれのシーンを演出しています。物語は、キャロルが夫に別れを切り出し、そこから二人で駆け落ち、悲しい結末が待っていますが、全体を通して丁寧な作り込みがされていた印象です。カメラマンを目指すテレーズがキャロルの美しさが映える写真を撮っていたシーンも印象的で、同性愛者への考え方が変わりました。クリスマスの寒い時期に見たい、心が温まる作品です。