自殺・生きるとは?について考えさせられる作品です
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月19日 11時13分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
絶望に覆われ灰色に染まった大都市の中、生きる意欲も希望も見出せず人々は次から次へ自殺をはかっていたーー。そんな中、唯一繁盛していたのが、10代続く老舗の自殺用品専門店スーサイドショップ。そこの息子は大のイタズラ好きで色々なイタズラを実行していくーー的な話です。
人間の腹黒い部分や、胸糞悪い部分を全面的に押し出したような作品だと思いました。人って何でこんなに悩むのだろう。社会って何でこんな楽しくないのだろう。生きるって何だろう。生きるのが辛いなら死ねばいいんじゃないか?など、自殺をメインとした暗いテーマです。
自殺大国日本だからこそ、この作品を見ることで考えさせられることが多くあると感じました。結局、オチは、さんざん自殺を扱っていたのにパレードみたいに踊って笑って、はい、恋愛できて最高。幸せ。って感じなのも妙に生々しかったです。
ここから読み取れるのは、結局、環境が悪いんじゃなくて、自分の気の持ちようで人生って一気に楽しくなるんだよ。些細なことで幸せになれるんだよってことだと思います。
単に自殺ダメ、ぜったい!って感じじゃなくて、自殺する人の考えみたいなのを肯定していたのもよかったなと思いました(現実では、どうぞ自殺してくださいとはなりませんが…)
普段、考えない「自殺・生きる」とはについて映画で気軽に投げかけてくれてとてもよかったです。考えさせられました。
ただ、今現在、自殺したいって悩んでいる人が見たら、逆効果かも…と思いました。何回か挫折して、それでも立ち直れた人が見て、「あぁ、そういうどん底の時もあったな」って感じで懐かしい気持ちにひたれて「より頑張ろう」と思える手助けになるような作品だと感じました。