日本の悲劇
2011年3月11日の東日本大震災の日。東京の下町に住む村井不二男(仲代達矢)は入院し、肺ガンの手術を受ける。秋になり、再び手術をしなければ余命は3か月だと宣告されるが、勝手に退院。不二男と暮らす息子の義男(北村一輝)は無職で、妻と別れ、不二男の年金を頼りに生活していた。帰宅した不二男は義男の説得も聞かず、自室のドアや窓を封鎖して「ミイラになる」と言い放ち……。
孤立・無縁社会をたったひとりで背負ったかのような村井不二男の生きざまを、ベテラン俳優・仲代達矢が深い悲哀を湛えながら演じていました。精神疾患が原因で失業、入院と失踪を繰り返した挙げ句に妻とは離婚、実家に転がり込んで食事は1日1個のコンビニ弁当、生活費は父親の年金。あっという間に最底辺へと転がり落ちていく不二男の息子、義男に扮した北村一輝もいいダメっぷりを披露していますよ。 全編を通してモノクロームの映像が重々しい雰囲気を放っていますが、短くも幸せだった義男の結婚生活の回想シーンになると鮮やかなカラーに切り替わる演出が心憎いです。東日本大震災発生直後の不安感や、復興や東京オリンピック招致の期待感で盛り上がる当時の世相も効果的に絡めています。 自ら生きることを放棄した父親に向かって、分厚い壁越しに懸命の説得を続けていく義男の叫び声は胸に突き刺さるでしょう。命がけで真剣勝負を繰り広げていた親子に待ち受けている、さらなる残酷な現実から目をそらす訳にはいきません。
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