ロシアの歴史を考えさせる映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月8日 11時47分
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総合評価:
5.0
94'年の「太陽に灼かれて」に始まる三部作の3作目です。前作の「戦火のナージャ」は戦争アクション映画の部分が多かったですが、本作では最初の作品でコトフ(N.ミハルコフ)を陥れたドミトリ(オレグ・メンシコフ)との関係も再び描かれます。
その当時の状況で、それぞれ誰かを陥れたりするなどは、ロシアの歴史ではかなりあったのでしょう。本作では、将校に復帰するコトフですが、一兵卒としているよりも困難な立場に立たされます。帝政を倒しても共産党による独裁で大量の犠牲者を出したり、ソ連崩壊後も新興財閥に国が食い物にされたりと、何かと大変な歴史を辿ってきたロシアというものがこの映画でも描かれています。
普通の庶民は、様々なことで、その時の政府やそれぞれの上層部に翻弄されてきたのでしょうが、そのような事により、外国への警戒心が強くなり、知らない外国のものよりある程度雑でも、自国の政府を支持するというロシア人のメンタリティーが形成されたのかもしれません。