攻殻機動隊 新劇場版
2029年、総理大臣が殺害され、草薙素子はバトーやトグサらと捜査を開始。その過程で、義体開発の技術的な障害となっている「デッドエンド」をめぐる政治的な動きや、洗脳、ゴーストへの侵入、疑似記憶の形成を行うことができる電脳ウイルス「ファイア・スターター」の存在が浮かび上がる中、素子はある手掛かりを得るが……。
攻殻機動隊ファンが「コレジャナイ」と失望した一連のアライズシリーズの劇場版.終始,違和感との闘いである. まず良いところから.流石はIGプロダクションということもあり,アクションは素晴らしい仕上がりとなっている.正直,これまでの攻殻機動隊もアクションだけは認めるどころか,むしろ好みの出来だろう.冒頭のアクションで素子がヒーロー着地をするシーンがあり,ここの義体の質量感がとてもグッド.音も映像の表現もとても好み.銃声だったり,突入後に敵を飛び越えた後の素子の受け身からのアクションは本当によかった.中盤の大きめのアクションシーンも安心して鑑賞できる完成度. そして悪いところ.声優のミスキャスティング,キャラデザインが全体的にダウン症様顔貌,登場人物が歴代のシリーズに比べて全体的に幼くなっている,表面だけの浅はかなセリフ,基本的に声優が下手くそでセリフが棒読み気味(単語ひとつひとつの意味を理解する気がないのか,わかっていない),作品の雰囲気づくりに失敗しており今時のなんちゃってアニメに成り下がっている,きりがない. ここまでしておきながら,新劇場版でいまさら歴代のファン受けを狙ったようなシーンのお寒いこと.こんなことをするくらいなら,キャラや脚本をこねくり回さずストレートなアクション映画にしてほしかった. IGプロダクションが最高のパーツを用意して,脚本家その他どうしようもないスタッフが寄ってたかって台無しにした攻殻機動隊である.
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