知られざる沖縄を伝える
2021年7月20日 18時24分
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総合評価:
5.0
原発は東北地方へ、アメリカ軍基地は沖縄へという中央から地方への一方的な危険の押し付けには憤りが湧いてきました。本来であれば県民の暮らしと命を守るはずの沖縄県警や民間の警備会社が、基地建設反対運動の排除に駆り出されるという不条理な構図が伝わってきます。
市民運動の中心となっているのは漁業従事者や環境保護家、さらには第2次世界大戦中にひめゆり挺身部隊に所属していた80代の女性も参加しているのが運命的です。「あなたたちのような若い人を死なせたくないから」という彼女の言葉には、反対派の排除に躍起になる機動隊員たちに届いたのでしょうか?
政治的なメッセージが強いドキュメンタリーではあるものの、時おり琉球音楽や伝統的なお祭りのシーンにはほっといと息つけるでしょう。クライマックスの近くで映し出されていくのは海面が青く輝く辺野古の海で、天然のサンゴが生息する楽園のような美しさです。果たしてこの海を埋め立ててまでオスプレイを飛ばす必要があるのか、沖縄で何が起きているのか見届けてください。