現代社会の「犠牲者」たちの悲鳴が……
2021年5月22日 15時45分
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総合評価:
3.0
「ゲット・アウト」で一躍注目を浴びたジョーダン・ピール監督の第二作目ということで、期待して視聴しました。
序盤のもたつきがありましたが、全体を通して見るとやはりヒネりがきいており、現代社会への風刺も強く感じます。
特に不自由なく、食べたいものを食べ生活を謳歌している現代人のウラに、実はこの映画のような虐げられた影のような人々が存在しているかもしれません……。都市伝説のような展開ですが、ラストに向かうに連れて次第に主人公の記憶が明らかになっていく様子はドキドキしっぱなしでした。
地下の人々の設定には若干ムリを感じましたが、それでも生肉を食べ、つらい日々を過ごさねばならない彼らのことを思うと、普通の生活を営んでいる自分たちのことをふと振り返ってしまうと思います。
今回も黒人のファミリーが主役として活躍しますが、「アス」は肌の色関係なく、誰かが犠牲にならなければ成立しない世界の是非を問いかけているように感じてなりません。この監督は毎回、鑑賞する側に問いかけを行います。そこが魅力でもありますね。