とある男性の「人生」
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年12月28日 13時02分
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総合評価:
4.0
主人公・トゥルーマンは明るく穏やかな人物。
そんな彼は「とある島」に住んでいます。
過去のトラウマで海を渡ることができず、彼はずっとその島で暮らしています。
しかし、そこには大きな仕掛けがありました。
彼は「トゥルーマン・ショー」という番組の主役。
そうとは知らずに暮らしている彼の日々は全国にテレビ放映されてるのです。
生れたときから大人になった現在まで、ずっとテレビで追われている彼。
よく考えるとかなり非人道的な番組なんですよね。
彼が「島から出られない」ことになった「彼の父の死」も演出で、本当は死んでいないんです。
そして本当に父親ではない。
この辺りに若干の不快さを感じるのですが、それこそが「トゥルーマン・ショー」への感情移入なのかもしれません。
やがて彼は真実を知り、死ぬような思いで(これも演出なのですが)「世界の果て」へたどり着きます。
このシーンがとても素敵。
マグリットの絵の様な壁絵の世界の果て。
そこに見つけた"EXIT"と書かれたドアから、彼は笑顔で視聴者に挨拶して去ります。
人は人生において時には行き詰まり、壁を感じることがあるものです。
しかし"EXIT"はどこかにあるはず。
それを見つけることができたなら、笑顔でその扉を開け、次のステップに進みたいですね。
人生の答えのひとつが描かれている作品だと感じました。