違う意味でのホラー
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年7月6日 14時51分
役立ち度:2人
総合評価:
4.0
アカデミー賞受賞作ということで鑑賞しました。
実は、賞レースに登ってくるまで、『北九州家族監禁殺人事件』のような内容だと思い込んでいて避けていたのですが…また違う怖さのある作品でした。
見終わった後、自分がどの位置にいるのか?を自然と考えてしまいました。
希望と絶望が、ないまぜになっています。
私のなかで一番絶望したのは、BBQシーンで『半地下の家族』が襲撃されているときに、周りの『丘の上の住人(日本風に言うと、山の手の方々、のほうが通じやすいでしょうか?)』が、ほとんど助けに入ろうとしなかったこと。
お金持ちにとって、使用人は家具と一緒で変えの利くもの。という考えらしいです。
反対に、希望だな。と思ったのは、丘の上の家族の娘が、怪我をしたギウ(半地下の家族の長男)を運んでいることです。
ただ、この描写でさえ、本当に『若い世代では所得格差があっても、人間性で人を見られる』という意味があるのかはわかりません。
そして何より、最後に象徴的なあの家に住んだのは白人家族であり、その場合(アジア人である)キムはさらに『地上』に出づらくなる、というのは監督の強い意図を感じました。
イメージワード
- ・悲しい
- ・笑える
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- ・恐怖
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