貧富の差が人をここまで変える
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年7月16日 20時08分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
全員に目線が入ったパッケージ写真に興味を持ち、内容も確認せずに観たので最初はホラーなのかなと思いました。しかし、ジャンルわけするのには難しい映画です。
前半は、貧困な4人家族がひょんな事から丘の上に住むお金持ち家族に、身分も関係も偽ってそれぞれの役職に潜り込んでいく過程が描かれていました。
そこではお父さんが演技の練習をしたり、お母さんにバレないように冷たい態度をとったり、家庭教師をしていただけなのに本気でその子と結婚する事を夢見たりと・・・ハラハラしながらも成功していく様が面白かったです。
しかし後編からは怒涛に雰囲気を変えていきます。いつバレるかハラハラしていた気持ちよりも、この状況で頑張って仕事をしていても半地下で暮らして染み付いた消せない匂いや、地下で暮らす別の家族、豪邸で優雅に過ごしたかと思えば実家は大雨で浸水、避難生活に・・・と、ひとつひとつが鈍くお腹にのしかかってくる雰囲気のままクライマックスにいきます。
クライマックスの惨劇シーンは圧巻です。一瞬で終わってしまいましたが、理解するには時間がかかりました。お父さんの計画なんて無いという言葉がとてもひっかかっていましたが、お父さんの最後は本当に計画無しの行動だと思いました。それでもそうせざるおえなかった状況・心情を考えると、心が重くなる後味が苦い映画でした。