原作の不気味さが活きてます
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月23日 13時09分
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総合評価:
4.0
同名のコミックが原作の作品です。
原作の方は途中までは読んでました。
しかし、絵柄がかなりアクが強く最後まで読んでいませんでした。
頭蓋骨の額の部分に穴をあけるという「トレパネーション」という手術を受けた人物・名越に起きる数々の現象が描かれています。
名越はその結果、左目だけで人を見ると異形の姿で見えるようになります。
この辺りが原作でも面白く描かれており、映像化するとどうなるのだろうと期待して観ていました。
CGを駆使して、見事に原作の不気味さを継承しています。
特にヤクザに絡まれたときの、親分の描写がいいです。
彼は幼少期にトラウマがある人物。
表に見せている姿は、ロボットに名越は見えます。
このエピソードは原作では割と長いのですが、映画化にあたってコンパクトにまとめられており、原作からはいっても違和感なく仕上がっています。
少し残念なのが名越の人物像。
彼は原作では恐らく東北訛りと思われる言葉を話すシーンがあります。
主にひとりでいるときにその言葉を使います。
ホームレスの中でも浮いている彼の異物感がセリフに出ているので、そこを削ったのが惜しいです。
原作とはオチが違うのかもしれませんが、読みきれなかった作品のラストを見ることができ、満足しました。